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弁護士の独立開業に最適なサービスオフィス・レンタルオフィスの選び方

1. 弁護士の事務所に必要な要件とは?
弁護士が独立して法律事務所を開設する際には、所属する弁護士会の定める「事務所要件」を満たす必要があります。
単なる作業スペースではなく、業務の独立性と守秘義務を確保できる環境であることが求められます。
具体的には以下のような条件があります。
・完全個室であること
天井まで壁があり、他の利用者と空間を共有しない構造が求められます。
・法人登記が可能な住所であること
弁護士会への登録申請時に必要です。
・応接スペースの確保
クライアントとの面談に適した、プライバシーが守られる空間は安心感や信頼に繋がります。
・独立した動線
他社を通らずに直接事務所へアクセスできること。出来れば商業施設や賑やかな場所を通らずに済んだ方が、弁護士事務所としては適しています。
これらの条件を満たすには、一般的な賃貸オフィスを借りるか、条件を満たすサービスオフィス・レンタルオフィスを選ぶ必要があります。
2. サービスオフィス・レンタルオフィスとは?
サービスオフィスやレンタルオフィスは、起業や独立開業を支援するために設計された、設備付きのオフィス空間です。契約したその日から業務を開始できるよう、以下のような機能が整っているところが多いです。
ない場合にはご自身でご用意が必要となり、費用も変わりますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
- 家具(デスク・チェア)
- インターネット環境(Wi-Fi、有線LAN)
- 複合機(コピー・プリント・スキャン)
- 会議室・応接室
- 受付スタッフ・電話代行サービス
- 法人登記可能な住所
弁護士事務所としての信頼性を保ちつつ、初期費用を抑え、スピーディーに開業できる点が大きな魅力です。
3. サービスオフィス・レンタルオフィスのメリット
士業の方がサービスオフィス・レンタルオフィスを利用する場合、以下のメリットがあります。
・初期費用を抑えられる
一般的な賃貸オフィスでは、敷金・礼金・仲介手数料・内装工事費などで100〜300万円以上の初期費用がかかることもあります。
一方、サービスオフィスでは、保証金等の初期費用が1~3ヶ月程度+月額利用料で済むケースが多く、家具や設備も完備されていることが多いため、追加投資も少なく済みます。
・即日開業が可能
契約後すぐに業務を開始できるため、機会損失を防ぎ、迅速な立ち上げが可能です。賃貸オフィスのように内装工事や設備導入に数週間〜数ヶ月かかることはありません。
・信頼感のある立地を低コストで実現
東京地裁や霞が関など、弁護士事務所が集まる一等地に事務所を構えることで、顧客の安心感や集客力が向上します。サービスオフィスなら、こうした立地でも月額数万円から利用可能です。
・会議室・応接室の利用で顧客対応も安心
守秘義務を果たすためには、防音性の高い応接室や会議室が必要です。サービスオフィスでは、必要な時だけ利用できるため、コストを抑えつつ信頼感のある対応が可能です。
・受付サービスで業務に集中
受付スタッフが来客対応を代行してくれるため、弁護士業務に集中できる環境が整います。
また、電話代行サービスも月当たりの件数や内容によっては安価でご提供することも可能です。
秘書を雇う必要がなく、人件費の削減にもつながります。
4.オフィス選びのポイント
弁護士事務所選びには特有の事情もあります。
特に気を付けてみていきたい点をまとめてみました。
・裁判所へのアクセス
案件を多く抱える場合など裁判所に行く機会が多ければ、裁判所の近くに事務所を構えた方が業務効率が上がりますし、信頼性も高まります。
都内ですと、虎ノ門、霞が関、新橋の周辺に法律事務所が多くございます。
また、御徒町や神田なども事務所が集まっています。
・完全個室の有無
書類の保管も厳重に行う必要がありますし、プライバシーを守る観点からも登録要件を満たすために必須です。
・防音性・セキュリティ対策
プライバシーの保護に十分注意が必要な弁護士事務所だからこそ、周囲に声が漏れないのは当然として、個室内に第三者が入らない様なセキュリティーシステムが備えられているかなど、機密情報保護の面でも安全面をチチェックしておきましょう。
・法人登記の可否
開業手続きに必要です。
・清掃・メンテナンスの質
顧客の印象に直結します。エントランスや共用スペースの雰囲気も含めて確認しましょう。
・会議室の予約状況
コワーキングが併設されている場合、会議室の稼働率が高く、いざという時に利用出来ないケースもございます。混雑しないか事前に確認した方が良いでしょう。
5. 他の事務所形態との比較
弁護士事務所を開設する場合、以下の方法があります。
1.自宅で行う。
自宅を利用して事務所にするのが、一番手軽に出来る方法です。
ただし、自宅と兼用で使う場合は生活空間と業務スペースを分ける必要があるため内装を変える必要があるかも知れません。
また、生活の拠点でもあるためプライバシーへの配慮も必要です。
2.SOHOマンションを利用する。
業務用にSOHOマンションを利用することも考えられます。
個人で行う場合、事務所利用の出来るマンションであれば、そちらで業務を行うことも一つの方法です。
3.賃貸事務所
ある程度の人数で行う場合や、プライバシーへの配慮を考え、専用の事務所としてテナントを借りてしまうという方法があります。
室内に応接室を設けたり、内装工事や設備等の初期費用も掛かります。
ある程度クライアントが決まっていて、それなりに事業展開が読めるのであれば信用度も増すでしょう。
4.サービスオフィス、レンタルオフィス
個人事務所や数名で業務を行い、事務員を設けないまたは最低限でスタートしたい場合などは、不在の時も多く来客の対応などを受付スタッフが行ってくれると助かります。
また、応接、会議室の利用頻度によっては、共用の応接、会議室があれば質感も良く、受付スタッフも対応致しますのでイメージアップに繋がります。
さらに利便性の良い物件が多いので、事務所の信頼性やステイタスも上げることが出来るでしょう。
形態 | 初期費用 | 信頼性 | プライバシー | 利便性 |
---|---|---|---|---|
自宅 | ◎(低) | △ | × | △ |
SOHOマンション | ○ | ○ | △ | ○ |
賃貸事務所 | ×(高) | ◎ | ◎ | ○ |
サービスオフィス レンタルオフィス |
◎(低) | ◎ | ◎ | ◎ |
6. まとめ
弁護士として独立開業する際、サービスオフィス・レンタルオフィスは、信頼性・効率性・コストのバランスを取る最適な選択肢です。特に裁判所徒歩圏の立地にあるアイオス虎ノ門などのオフィスは、業務のスムーズさと顧客への印象を大きく左右します。
事務所の形態やサービス内容をしっかりと比較し、自身の業務スタイルに合ったサービスオフィスを選びましょう。